新潟県周辺の有毒植物					Wonder Nature Top
山野に自生する植物の中には、山菜として食用になるもののほか、人体に危険を及ぼす毒性を持つ種類も少なくない。 植物による健康被害としては、皮膚の炎症やかぶれ、誤食による食中毒などがある。 　十日町地方では、ドクウツギ（地方名：マシ）を食べた子どもが死亡するという記事が地元新聞紙上に掲載されているが、かつては田舎のこどもたちは、山野で遊んで木の実・草の実をおやつがわりにすることが普通であった。野外活動では、木の実や葉に触れたり味わったりすることが少なくないが、毒性の有無が不明なものについては接触は避けるべきである。庭や花壇などに植栽された草木の中にも、注意を要するものがあり、中には致命的な有毒植物もある。 　有毒植物を誤食した場合は、喉の奥に指を入れるなどしてすぐに吐き戻し、大量の水を飲んでは吐き戻す、を繰り返すのが有効である。状況によっては、専門医から胃洗浄等の処置をしてもらう必要がある。 　皮膚に炎症が起きた場合には、すぐに石鹸でよく洗って抗ヒスタミン剤入りの薬用クリームなどを塗り、状況を見て専門医にかかる必要がある。なお、ミヤマイラクサなどの棘が刺さった場合には、セロテープを使って取り除いたり、オオバコの葉の汁を塗って痛みを和らげることもできる。
身近な庭や里山にある有毒植物			有毒植物画像	科名は旧分類群	※園芸・植栽 （※）野生化あり
No.	植物名	科名 （別名・地方名）	毒部位　 【誤認しやすい植物】	毒 成 分	症 状 そ の 他
１	アオツヅラフジ	ツヅラフジ科	全草、特に根	アルカロイド	呼吸麻痺・心臓麻痺
２	アキノキリンソウ	キク科	全草	配糖体	神経麻痺
３	アサガオ ※	ヒルガオ科	種子	配糖体	下痢・腹痛
４	アジサイ ※	ユキノシタ科	葉・根	配糖体	下痢・腹痛・呼吸異常
5	イチイ	イチイ科 　（オンコ・アララギ）	種子 ・茎葉	アルカロイド（タキシン）	下痢・嘔吐・呼吸困難・致死
6	イヌサフラン　※	ユリ科 　（コルチカム）	球根・種子 　【ギボウシ・ギョウジャニンニク】	コルヒチン	麻痺・呼吸困難・致死
7	ウルシ　※	ウルシ科 　（サトウルシ・ホンウルシ）	全株	ウルシオール	水泡性炎症　栽培種が野生化
8	エゴノキ　（※）	エゴノキ科	果皮	サポニン	のど粘膜の炎症・嘔吐・魚毒性
9	エゾイラクサ	イラクサ科	葉・茎	蟻酸・酪酸	刺毛による痛みとただれ オオバコの葉の汁ですぐ直る
10	エゾユズリハ	トウダイグサ科	葉・樹皮	アルカロイド	呼吸困難・心臓麻痺
11	エニシダ ※	マメ科	茎・葉・種子	アルカロイド	神経障害
12	エンレイソウ	ユリ科	全草、特に根	サポニン	嘔吐・下痢
13	オキナグサ	キンポウゲ科	全草	プロトアネモニン	肌のかぶれ・胃腸炎
14	オダマキ　※	キンポウゲ科	全草	青酸配糖体	下痢・嘔吐・呼吸異常
15	キキョウ 　（※）	キキョウ科	葉・根	サポニン	嘔吐・腹痛
16	キクザキイチゲ	キンポウゲ科	全草	苦味質	下痢・痙攣
17	キツネノボタン	キンポウゲ科	全草・特に花	プロトアネモニン	腹痛・下痢・嘔吐
18	キツリフネ	ツリフネソウ科	全草	ヘリナル酸	嘔吐・胃腸炎
19	キョウチクトウ　※	キョウチクトウ科	全草	配糖体	嘔吐・腹痛・下痢・血便・心臓麻痺、致死
20	クサギ	クマツヅラ科	全株	アルカロイド？	下痢
21	クサノオウ	ケシ科	全草	アルカロイド	神経麻痺・消化系異常
22	クララ	マメ科	全草、特に根	アルカロイド	中枢神経麻痺・心臓停止
23	グロリオサ	ユリ科 　（キツネユリ）	球根	アルカロイド	発熱・嘔吐・腎機能不全
24	コマユミ （※）	ニシキギ科	種子	脂肪油	嘔吐・下痢・腹痛 変種ニシキギも同じ
２５	コンニャク　※	サトイモ科	球根	蓚酸カルシウム	生食すると口内が腫れ、灼熱感
２６	サトイモ　※	サトイモ科	球根	蓚酸カルシウム	生食すると口内が腫れ、灼熱感
２７	ジキタリス ※	ゴマノハグサ科	全草	配糖体（ジキトキシン）	嘔吐・めまい・心臓麻痺、致死
２８	ジャガイモ　※	ナス科	根茎、特に芽	ソラニン・アルカロイド	頭痛・嘔吐・腹痛
２９	スイセン ※	ヒガンバナ科	全草　【ニラ】	リコリン	胃腸炎・下痢・嘔吐
３０	スギ （※）	スギ科	花粉	−	アレルギー性鼻炎・ぜんそく・ジンマシン
３１	スズラン （※ ）	ユリ科	全草　【ギョウジャニンニク】	コンバラトキシン	血液凝固・心不全、致死
３２	センニンソウ	キンポウゲ科	全草	プロトアネモニン	皮膚や粘膜の炎症・下痢・呼吸異常
３３	タケニグサ	ケシ科	全草	アルカロイド	神経麻痺・消化系異常
３４	チューリップ　※	ユリ科	球根　【ギョウジャニンニク】	ツリパリン	かぶれ・心臓毒
３５	チョウセンアサガオ類 ※	ナス科 　（ダツラ）	全草	アルカロイド	腹痛・下痢・血便・呼吸心臓麻痺、致死
３６	ツタウルシ	ウルシ科	全株	ウルシオール	水泡性炎症　つる植物
３７	ツリフネソウ	ツリフネソウ科	全草	ヘリナル酸	嘔吐・胃腸障害
３８	ツルシキミ	ミカン科	全株、特に葉や果実	アルカロイド	嘔吐・下痢・昏睡・呼吸障害
３９	ツルニチニチソウ	キョウチクトウ科	全草	アルカロイド	全身麻痺？
４０	ドクウツギ	ドクウツギ科 　 （マシ）	果実	コリアミルチン	嘔吐・痙攣・昏睡・呼吸麻痺
４１	◆ドクゼリ	セリ科	全草　【セリ】	チクトキシン	嘔吐・腹痛・下痢・けいれん・昏睡、致死
４２	トチノキ	トチノキ科	種子	サポニン	下痢・胃腸障害 アク抜きが必要
４３	トリカブト類　（※）	キンポウゲ科	全草　【モミジガサ・ニリンソウ】	アルカロイド	呼吸麻痺・四肢の麻痺・呼吸麻痺、致死
４４	ニチニチソウ 　※	キョウチクトウ科	全草	アルカロイド	全身麻痺
４５	ニリンソウ	キンポウゲ科	全草	アルカロイド	胃腸障害・かぶれ　 食用になるが、茹でて水に晒す必要
４６	ノイバラ	バラ科	果実	配糖体	呼吸麻痺
４７	ノウルシ	トウダイグサ科	全草	アルカロイド	皮膚の炎症・腹痛・下痢・痙攣
４８	バイケイソウ	ユリ科	全草　【ギョウジャニンニク】	アルカロイド	血圧降下・手足のしびれ・痙攣・意識不明、致死 　コバイケイソウも同様
４９	ハシリドコロ	ナス科	全草	アルカロイド	腹痛・下痢・血便・幻覚・呼吸心臓麻痺、致死
５０	ハナヒリノキ	ツツジ科	全株、特に花・葉	グラヤノトキシン	歩行失調・心臓麻痺
５１	ヒガンバナ ※	ヒガンバナ科	全草、特に球根　【ニラ】	アルカロイド	嘔吐・下痢・中枢神経麻痺
５２	ヒメザゼンソウ	サトイモ科	全草	蓚酸カルシウム・サポニン	皮膚の炎症・胃腸障害
５３	ヒョウタンボク	スイカズラ科	果実	毒性分不明	嘔吐・下痢・痙攣・昏睡
５４	ヒヨドリジョウゴ	ナス科	全草	アルカロイド	痙攣・嘔吐・下痢・発汗
５５	ヒレハリソウ	ムラサキ科 　　（コンフリー）	全草	アルカロイド	肝障害
５６	ヒロハテンナンシショウ	サトイモ科	根茎・果実	サポニン	胃腸障害
５７	フキ	キク科	雄花（花粉）	−	アレルギー・アナフィラキシーショック
５８	フクジュソウ　 (※)	キンポウゲ科	全草、特に根	シマリン・アドニン	嘔吐・呼吸困難・心臓麻痺、致死
５９	フジ （※）	マメ科	種子	アルカロイド？	下痢・嘔吐、焼いて食用中毒例
６０	ホツツジ	ツツジ科	全株、特に花	アルカロイド	下痢・嘔吐・運動神経麻痺・呼吸麻痺
６１	ボタンヅル	キンポウゲ科	全株	強刺激成分	皮膚や粘膜の炎症・下痢・呼吸異常
６２	マムシグサ	サトイモ科	果実・根茎	サポニン	胃腸障害・口の灼熱感
６３	マユミ	ニシキギ科	種子	脂肪油	嘔吐・下痢・腹痛
６４	ミズバショウ	サトイモ科	全草、特に根	蓚酸カルシウム 　・アルカロイド	嘔吐・呼吸麻痺・心臓麻痺
６５	ミヤマイラクサ	イラクサ科	葉・茎	蟻酸・酪酸	刺毛による痛みとただれ オオバコの葉の汁ですぐ直る
６６	ムラサキケマン	ケシ科	根	アルカロイド	神経麻痺・痙攣
６７	ヤマウルシ	ウルシ科	全株	ウルシオール	水泡性炎症 各地の林内に普通
６８	ヨウシュヤマゴボウ ※	ヤマゴボウ科 　（アメリカヤマゴボウ）	全草	硝酸カリ・サポニン	ジンマシン・下痢・心臓麻痺
６９	リュウキンカ	キンポウゲ科	全株	不明	下痢・腹痛　　若葉は茹でで水にさらして食用に
70	ルピナス　※	マメ科 　（ノボリフジ）	種子	ルピニン	心臓毒
71	レンゲツツジ 　（※）	ツツジ科 （イヌツツジ・ウマツツジ）	全株、特に葉	アンドロメドトキシン	呼吸困難
参考　　　厚生労働省　「自然毒のリスクファイル」      　　　　　 ページのトップへ