ドクゼリによる食中毒     新潟県周辺の有毒植物
  厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル
    
  要注意!新潟県内で ドクゼリによる食中毒発生

 

 新潟市保健所は、2013年4月1日、ドクゼリによる食中毒がおきたと発表した。山菜のセリと間違えて食べた男女9人のうち、4人が嘔吐、頭痛を訴え、1人は一時意識不明に陥ったという。ドクゼリは、ワサビと間違えられたり、湿布薬として用いられて事故をおこすケースもある。

【毒性】全草にシクトキシンという毒を含み、ヒトの致死量は50mg/kgで、多量に食べると死亡する。食後30分ごろから症状が現れ、嘔吐、下痢、呼吸困難、意識障害がおこるという。皮膚からも吸収されるので注意が必要。

【分布】北海道、本州、四国、九州に分布、国外ではユーラシア大陸北部、北アメリカ大陸に広く分布する。山地から平地の湿地、水辺に広く分布し、平野部の河川、湖沼や農業用水路にも分布している。

【特徴】セリ科の大型の植物で、草丈数十cm〜1mに成長する。セリに比べてはるかに大型になり、香りも異なる。茎は太く中空である点が特徴的。湿地や水際に生える抽水植物であるが、岸から離れて漂流し、流れ着いた場所に根をおろす。タケノコに似た中空の茎は、このような暮らしに役立っていると思われる。
  
福島潟を漂流していたドクゼリ 
下は断面 :中空で水面に浮く
 
鳥屋野の水際部での生育状況

陸地での生育状況 若芽はセリと誤認されやすい
   陸地に生えたドクゼリの根 中空ではない
 食用になるセリ