カタツムリを主食にするマイマイカブリ 長い首と大アゴが武器     

林道に現れたマイマイカブリ(亜種コアオマイマイカブリ)
 
カタツムリを攻撃する幼虫 
 マイマイカブリは、肉食性甲虫のオサムシの仲間。オサムシ類は、ミミズなど様々な小動物を捕食するが、マイマイカブリはマイマイ(カタツムリ)の捕食者として特化しており、殻の中まで頭を突っ込んで肉を食べるために頭部と前胸部が細長いのが特徴。
 マイマイカブリは、幼虫の段階からカタツムリを捕食する。長岡の越後丘陵公園里山ゲートの前で、大量の泡を吹きながら道路を横断するヒダリマキマイマイに出会った(左下の写真)。カタツムリにしては今まで見たこともない速さだ。よく見ると足の後ろにマイマイカブリの幼虫が食らいついており、大量の粘液で防御しようとしているようだ。この後、ヒダリマキマイマイはマイマイカブリ幼虫を引きずったまま草やぶの中に入ったが、結末までは確認しなかった

マイマイカブリ標本 左)オス 右)メス
(画像:数森康二氏提供)



上)マイマイカブリ 
下)オオゴミムシ 
左右の大アゴの長さに注目
  マイマイもやられっぱなしではないようだ。柏崎在住の越佐昆虫同好会会員、数森康二氏が、飼育していたマイマイカブリの幼虫にカタツムリを与えたところ、粘液の泡に包まれて溺死したという。カタツムリの泡攻撃は、なかなか威力があるようだ。
 マイマイカブリの大アゴは、先端がナイフのように尖って内側にカーブしている。大アゴは挟むためのものではない。左右の長さが違って食い違うようになっており、肉を食いちぎるのに適した形である。カタツムリにとって恐怖の大アゴだ。
 数森氏に標本を確認していただいたところ、オサムシ類はすべて左側の大アゴの方が長いという。オサムシ科のオオゴミムシも、同じく
左の大アゴが長かった。