要注意! ナガミヒナゲシ分布拡大中

 ナガミヒナゲシは地中海沿岸原産のケシ科の一年草、ヒナゲシに近縁ですが、実(けし坊主)が長いのが特徴。1960年に東京世田谷区で確認されたのが最初で、現在は全国に広がっています。
 繁殖力旺盛で、根や葉から他の植物の成長を抑制する物質を分泌するアレロパシーが知られています。現在、外来生物法や生態系被害防止外来種リストには掲載されていませんが、日本の在来植物にとっては特定外来生物なみの脅威を及ぼす存在であると考えられています。

左)ミヒナゲシの花と実      右)熟した実と種子
 花の色は赤い肉色、大きな株には一株で100個ほどの実がつき、されぞれに1,600個もの種子がつくられ、種子はごく小さく、未熟果の種子にも発芽能力があるそうです。車の車輪や靴などについて道沿いに分布を広げ、愛らしい草姿から人家に栽培されることも少なくないようです。都市部を中心に県内各地に広がっており、佐渡では場所によっては根絶困難なほど高密度に定着してとの情報があります。     

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アメリカザリガニ・アカミミガメ 条件付特定外来生物 指定 2023年6月1日より
 北アメリカ原産のアメリカザリガニとアカミミガメの規制のあり方について、環境省専門家委員会で検討が行われてきましたが、外来生物法を改正して「条件付特定外来生物」に指定されました。販売や野外へ放すことは禁止されますが、個人が野外でつかまえて飼育することは自由です。すでに全国に分布が広がって多数が家庭や学校で飼育されているため、野外に遺棄されることが懸念され、「特定外来生物」指定が見送られてきました。

アメリカザリガニ解説

外来爬虫類解説
   アカミミガメが滑走路閉鎖!?
 ミシシッピアカミミガメによる生態系被害や農業被害は、たびたび報道されてきましたが、なんと成田空港で滑走路に侵入したアカミミガメによって滑走路が一時閉鎖される事態が発生しました。
 9/24のNHKテレビで第一報が流されましたが、カメの画像はバッチリ映されたものの、ただ「カメ」というコメントでした。止められた飛行機がウミガメのデザインであったため、むしろカメに好意的な報道に見えました。
 11/2にも再びこの事件が取りあげられて詳細報道、許可を得て滑走路脇の調整池の状況が映されました。そこには倒木上で甲羅干しするたくさんのアカミミガメたちが。ここでも、外来種の「アカミミガメとみられる」というコメントで、なぜか断言は避けられていました。


  2021年11月2日 NHK TV 朝のニュースから
これまで成田空港の滑走路でカメが見つかるケースは年間1・2件でしたが、今年度はすでに4件も。元パイロットの航空評論家小林宏之さんからは、安全運航に影響のおそれがあり、調整池に柵を設ける必要があると指摘された。
   全国各地で マニア・商業目的の  野生動植物の採取・盗掘が横行
       
暴走するペットブーム  ネット通販・オークションで高額販売  食い物にされる日本の自然
   県内各地で動植物の大量捕獲や盗掘
 
魚沼地方や柏崎周辺ではギフチョウの捕獲バスツアーが来襲! 阿賀町では新型コロナ禍で監視が手薄の隙をついて町天然記念物指定の希少種キマダラルリツバメの乱獲! 魚沼市では罰則付きの自然環境保全条例を施行、ギフチョウの採集や灯火採集、オキナグサの採集を規制。この地域から閉め出された乱獲の手は周辺市町村に流れています。
 
魚沼市自然環境保全条例
  喜多方市:ギフチョウ・キマダラルリツバメ
   を天然記念物指定

 ギフチョウ
春の妖精とも呼ばれる
Spring Ephemeralの代表種
地方変異がマニアに珍重される
 キマダラルリツバメ
片方の後翅に2本の尾状
突起をもつ希少なシジミチョウ
(渡部通氏提供)
新潟県希少野生動植物保護条例
2021年5月1日制定・・・その実効性に期待したいが?
  栄村で自然保護条例制定へ
 新潟県津南町に隣接した長野県栄村には、毎年業者が主催する希少チョウ類の採集ツアーが訪れ、大型ライトでカブトムシなどの甲虫を集める集団がやってきています。これに対して希少昆虫類の保護をめざす村議会内の作業チームが、自然保護条例制定に向けた取り組みを加速中。「住民意識の醸成」と「違反者への罰則規定」を2本柱にしています。
   妻有新聞記事へ

     (恩田社長の了解いただいています) 
「外来生物法」 施行から15年
 「特例」だったオオクチバス漁業権が継続




  2005年6月に外来生物法施行、我が国の生態系に甚大な被害を及ぼすオオクチバス・コクチバス・ブルーギルおよびアメリカナマズが特定外来生物指定、飼育・移動・販売が禁止となりました。しかしながら、オオクチバス漁業権が設定されていた4湖・・・芦ノ湖(神奈川県)、河口湖、山中湖、西湖(山梨県)・・・は特例として漁業権が認められました。これまで漁業権は2回更新され、2023年に更新時期をむかえます。
 特定外来生物は罰則付きの規制(個人:500万円以下の罰金または6ヶ月以下の懲役、法人:1億円以下の罰金)が設けられながら、これら4湖では、本来、日本の水域から排除対象であるオオクチバスが増殖義務までつけられて温存されています。オオクチバスの漁業権が更新されないように訴える活動が始まっています。

   全国ブラックバス防除市民ネットワーク
   まだ続くのですか?オオクチバスの漁業権

  伊豆沼・内沼に再びオオクチバス
  ブラックバス黒雲再び産経2021.5.26 
      漁業権がないのに
      さかんなコクチバス釣り

 日本国内でコクチバスの漁業権をもつ湖沼は1ヶ所もありません。しかし、長野県の野尻湖や福島県裏磐梯などではコクチバス釣りが一大産業となっています。もちろん漁業権魚種にもなっていませんが、なぜか遊漁料も漁協に支払わなくてはなりません。その根拠は、マス類などの「漁業権魚種を混獲する可能性があるから」だそうです。
 新潟県内ではバス類の再放流を禁止されており、バス釣りトーナメントなどは行うことができません。福島県では再放流の規制がなく、長野県では全県で禁止ながら野尻湖では特例として認められています。遊漁料が支払われ、バス釣りが盛んに行われている現状では、実質的に「外来生物法」はザル法といわざるを得ません。

  五泉市早出川太川橋下流のコクチバス

    特定外来生物指定後も絶えない密放流
 地域の貴重な自然、希少な水生動物を守るため各地で地道な防除活動が行われていますが、再びブラックバス類が放流される事態もおきています。
 グラックバス類やブラウントラウトなどの釣り人から遊漁料をとる漁協も増えており、なし崩し的に外来生物法が骨抜きにされつつあります。富士山の世界自然遺産登録ができず、SDGsが声だかに語られながら、実は日本はまだまだ環境後進国です。



 柏崎市西山町の畑に現れたニホンイノシシ
   イノシシ・ニホンジカの捕獲数推移   
   イノシシ・ニホンジカ急増
 かつて積雪1m以上の豪雪地には住まないと言われていたイノシシとニホンジカが、新潟県内で急増しています。
 新潟県狩猟統計によれば、1996年にはじめて2頭が捕獲され、その後は多くとも10頭未満であったものが2002年には26頭。以後、放物線を描くように急激に増加し、2020年には4,376頭に達しました。現在の分布域は、佐渡と粟島を除くほぼ全県に拡大しています。 この結果、各地で農業被害が多発、人身事故もおきています。ニホンジカも同様の傾向で、2020年には1,132頭が捕獲されています

 
    新潟県狩猟統計1962~2020
   新潟県
鳥獣被害対策センター イノシシ注意チラシ
  広がる国内外来種フクドジョウ
 北海道原産で福島県阿賀川に定着しているフクドジョウが、新潟県側の阿賀野川流域に広がっています。2020年8月10日に開催された早出川親子魚探検隊で32尾も採集されました。在来種のカジカやアカザ、シマドジョウなどと競合するなどの生態系被害を及ぼしていると考えられます。
   外来魚解説へ  フクドジョウ手配書

早出川善願橋付近では最優占種
となりつつあるフクドジョウ
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