新潟県 外来両生類リスト 
目 名 科 名 種 名 定着の
有無
原産地 確認場所 外来生物法 生態系
被害防止
外来種リスト
日本生態学会
世界自然保護連合
指定 侵略的外来種
 カエル目 アカガエル科 ウシガエル 北アメリカ 全県 特定外来 重点対策 日本ワースト100
世界ワースト100
ヒキガエル科 アズマヒキガエル 本州(越後側) 佐渡島
          外来両生類  Exotic Amphibia
 新潟県内に定着している国外外来両生類は、ウシガエル1種である。佐渡島を含むほぼ全県の平野部や山間のため池などに広がっている。
 佐渡島内では、本土側から持ちこまれたアズマヒキガエルが分布を拡大中である。
◆全県に広がったウシガエル
 北アメリカ南東部原産、別名食用ガエルとも呼ばれる。
 我が国へは1918年から食用として何度か導入され、新潟県には1925年に移入されたという(新潟日報事業社,1983)。
 体長15〜16cm、最大20cmに達し、日本のカエルの中では最大、原産地北アメリカのカエルの中でも最大種であるという(自然環境研究センター,2008)。
 幼生は最大全長15cmに達し、ほとんどは越冬して翌年変態する。“ウシガエル”という名前は、ウシに似た特徴的な鳴き声に由来し、周辺住民の睡眠妨害になることもある。

 ウシガエルは動物食で導入時に餌として持ちこまれたアメリカザリガニのほか、魚類や甲殻類など各種水生動物、同種の幼体を含むカエル類やネズミ類など、口に入る大きさのものはすべて捕食する。
 同じ北米原産のブラックバス類やブルーギル、ミシシッピアカミミガメなどとともに、水辺の生態系の上位に位置する強力な捕食者で、我が国の生態系に甚大な悪影響を及ぼしている。外来生物法では「特定外来生物」に指定されている。また、IUCN「世界の侵略的外来種ワースト100」、「日本の侵略的外来種ワースト100」にも指定されている。


ウシガエル(オス):黄色い喉が目立つ

上)オス 下)メス オスは鼓膜が大きい
 
     水面にシート状に広がる卵塊
 
   越年した大型の幼生 

変態中の幼体(尾が残っている)

◆佐渡島に導入されたアズマヒキガエル

 アズマヒキガエルは、近畿地方以東の本州に分布する体長16cmに達する大型のカエルである。地表を歩いて移動し、ジャンプすることはほとんどない。主に夜行性で昆虫やカタツムリなど様々な小型動物を捕食する。防御のため、眼の後方の耳腺から乳液状の毒を出すが、ヤマカガシには通用しない。卵塊は、寒天質に包まれ、長い紐状である。
 宅地化や農地開発などにより、生息環境や産卵場が失われ、生息数は減少している。アズマヒキガエルはもともと佐渡島には分布しなかったが、1964年、学校の教材として佐渡島南部の羽茂にある寺の池に持ちこまれた(中村,1966)。県内の角田付近、北魚沼および、宮城県仙台市から導入したという。
 佐渡島には同時にトノサマガエルも持ちこまれたが、定着しなかったようである。アズマヒキガエルによる生態系への悪影響は、今のところ確認されていないが、サドマイマイカブリなどの地表性昆虫やカタツムリ類などに影響を及ぼす可能性は否定できない。

 
アズマヒキガエル(オス)
 
特徴的なひも状の卵塊

佐渡に定着したアズマヒキガエル
  撮影:佐渡市西三川 本間勉氏
 
佐渡金山溜池の水際で確認された
ヒキガエル幼体:日本のカエル類で最小