原産地・侵入の経緯 |
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アメリカ北西部原産で、我が国には1909年にはじめて輸入されたが、その後有用水産資源として全国各地の水産試験場に配布され
たという。
当初は北海道摩周湖と、滋賀県淡海湖に定着したが、その後密放流によって北海道各地や福島県裏磐梯の湖沼群に広がった。
淡海湖に導入された際には、タンカイザリガニと呼ばれたが、現在ではウチダザリガニと同一種であるとされている。
裏磐梯地域にはコクチバスと同様、商業目的に持ち込まれたと見られ、猪苗代湖〜阿賀野川水系を経由して分布域を拡大することが
懸念されていた。
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形態・特徴 |
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体長最大15cm、 鋏脚を加えた全長は25cmを超える巨大なザリガニ。
鋏脚の付け根に青白色の模様があり、信号を送っているように見えるため、英名は signal crayfish。
繁殖力が強い上、アメリカザリガニが住まない冷水域でも生活できる。
雑食性で水草から様々な底生動物、底生魚類も捕食するため、生態系へ甚大な被害を及ぼす。
北海道では在来のニホンザリガニ(環境省RD絶滅危惧U類)と競合して、希少化に拍車をかけているものと見られ、摩周湖では天然記念物のマリモに穴をあけることが確認されている
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新潟県内における生息状況 |
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新潟県内では、平成16年(2004)に東蒲原地域の阿賀野川で初めて確認された。「平成16年7月新潟・福島豪雨」で、流れ下ってきたものと言われる。
現在では、揚川ダム湖内まで確認されており、さらに下流や流入支川、農業用水路などに生息域を広げることが懸念される。
このままウチダザリガニの分布拡大が続けば、上流・冷水域にはウチダザリガニ、下流・温水域にはアメリカザリガニと、北アメリカ原産の2種類のザリガニ類が底生動物相の最優占種となる危険性がある。
なお、ウチダザリガニは、食材利用も行われているが、外来生物法上の規制を受け、飼育や生きたままの移動が禁止されており、扱いに注意を要する。
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