外来鳥類  Exotic birds
 
新潟県内では、これまで14種類の外来鳥類が記録されているが(柏崎市立博物館,2017)、最近新たに妙高市でソウシチョウが確認された。鳥類は、他の動物群に比べて格段に移動能力が高いため、初めて確認された種類であっても、自力で飛来したものか、人為的な移入種であるか判断に迷うことがある。
 記録された外来鳥類は、移動能力が比較的低いか、当地域から遠く隔たったヨーロッパや北アメリカ、東南アジアなどの原産で、飼育鳥が逃げ出した「籠脱け」か飼育施設からの放逐個体である。
 一度日本から姿を消したトキは、1998年最後の生息地である佐渡に中国から再導入され、2017年12月3日時点では野生下に294羽が生息すると推定されている(環境省佐渡自然保護官事務所HP)。コウノトリは、2005年からロシア産個体が導入され、2017年11月6日現在、野外個体は123羽まで増加している(兵庫県立コウノトリの里公園HP)。一時激減したタンチョウヅルは北海道東部での保護策が実り、2014年現在1,500羽まで増加しているという(タンチョウ保護研究グループ)。
 これら3種の大型鳥類は、海を越えて移動する能力があり、季節的な移動(渡り)を行っていた記録がある。再導入されたトキとコウノトリは「外来種」ではなく、「東アジア広域分布種」と考えてよさそうである。

佐渡に放鳥された本州南部原産のウスアカヤマドリ
(柴田直之氏撮影)
 
佐渡から越後に飛来した東アジア広域分布種トキ
 
新潟県 外来鳥類リスト  2017.11現在
目 名 科 名 種 名 定着の
有無
原産地 確認場所 外来生物法 生態系
被害防止
外来種リスト
日本生態学会
侵略的外来種
ペリカン目 ペリカン科 モモイロペリカン ヨーロッパ〜中央アジア
 〜東南アジア
ハイイロペリカン インド〜東南アジア
カモ目 カモ科 コブハクチョウ ヨーロッパ〜中央アジア 佐渡加茂湖 その他
総合対策種
キジ目 キジ科 コジュケイ 北アメリカ 佐渡
キジ 本州 佐渡
ヤマドリ
 (亜種ウスアカヤマドリ)
本州南部 佐渡
ハト目 ハト科 ドバト ヨーロッパ〜中央アジア 全県 日本ワースト100
インコ目 インコ科 セキセイインコ オーストラリア
スズメ目 チメドリ科 ガビチョウ 中国南部〜東南アジア北部 新潟市海岸林 特定外来 日本ワースト100
ソウシチョウ インド〜中国南部
  〜東南アジア北部
妙高市 特定外来 日本ワースト100
ホオジロ科 チャキンチョウ ユーラシア大陸南中部
カエデチョウ科 ベニスズメ 中東〜インドシナ半島
キンパラ インド〜東南アジア
ムクドリ科 ハッカチョウ 中国南部・インドシナ半島
カラス科 カササギ ユーラシア北部〜北アメリカ